アロマテラピー講座:天然の精神安定剤「ネロリ」

みなさん、こんにちは。

突然ですが皆さんはオレンジはお好きですか?

私はオレンジに限らず柑橘系は食べるのも香りを楽しむのもどちらも大好きです

5月はいろいろな植物の葉が茂り花が咲きますが、今回紹介させていただくネロリ精油の原料であるオレンジビターの花もこの時期に花を咲かせます

白く小さく可憐でとってもいい香りがするんですよ

                    

ビターオレンジの花は栽培にとても時間がかかることでも知られています

さらにネロリ精油の抽出には開花したばかりの花しか使えないので、1㎏の花から1gしか抽出できない希少な精油なのです

ネロリ精油の香りは品の良いフローラル系で非常に濃厚なため香水、特にオーデコロンの原料としてもよく使われていることで知られています

(世界最古の香水「ケルンの水(=オーデコロン)」のベースとして使われていたと言われ、ナポレオンやゲーテに愛用されていました)

香水の世界では、ローズやジャスミンと共に古くから重用され最も頻繁に使用されていた精油の一つです

その歴史は古く、チュニジアやモロッコなど地中海周辺の北アフリカ諸国では各家庭でビターオレンジの花を蒸留する習慣があったと言われています

蒸留水に溶け込んだネロリの芳香成分には、その爽やかな香りに加えて抗酸化作用・抗菌作用があり、蒸留水を化粧水に使ったり傷口に付ける消毒薬の代わりや胃薬として利用したり、また料理にも活用されていたそうです

日本の近く、中国でも12世紀頃から水蒸気蒸留が行われ、入浴剤として利用されていたという文献もあるそうです

さてこのネロリ、原料はビターオレンジの花なのに何故“ネロリ”というのか、不思議ではないですか?

ネロリという名前は17世紀のイタリア、ネロラ公国のアンナ・マリア王妃がオレンジビターの花の香りを愛用していたことに由来します

当時、貴族の間では革の手袋が流行していたのですが、その革の臭いをマスキングするために様々な精油・香水が利用されていました

社交界の花形であったアンナ・マリア王妃はビターオレンジの花の精油を愛用しており、アンナの使う手袋は次第に「ネロリの手袋」と呼ばれるようになり、それが転じてオレンジビターの花の精油はネロリと呼ぶようになったと言われています

ネロリと社交界の関係は深く、19世紀後半のイギリス・ビクトリア時代では、きつく締め上げたコルセットで気分がすぐれない女性たちが気付け薬として使用していたそうです

なるほど、ネロリの芳香成分には心と体を安定させる作用がありますからね

そんなネロリの香りの使い方、プロボノチャンネルではやはりお風呂をお勧めいたしましたが、心と体を整えるのに効果的なのはもう一つ、“睡眠”です

ブレンドが面倒な方はベッドルームのサイドテーブルなどに温かいお湯を入れたマグカップを用意し、そこに1-2滴ネロリ精油を落としてください。お好みで他の精油も少し入れても良いですよ

例えばオレンジスイート精油はフレッシュな万人受けする香りで誘眠効果もあります

また、同じ植物から採れるプチグレン精油(ビターオレンジの葉から抽出される精油)はセロトニン性合成に関わる抗不安作用を持っていますので、疲れすぎていたりストレスがあるとなかなか眠りにつけない方にはぴったりだと思います

疲れをそのまま引きずらないで、香りの力でリフレッシュして夏を迎える体力をつけてくださいね

天然の精神安定剤「ネロリ」プロボノチャンネルもぜひご覧ください

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